症状-肝の病証
どこの臓腑経絡の気血津液に虚実が起こり、寒熱が発生したかによって、あらわれる症状は違います。
今回は、肝胆の臓腑、肝の経絡、胆の経絡に、何らかの病理が起こると、どのような症状があらわれるかについてお話していきます。
肝虚証
肝は血を蔵しているので、肝虚証=血虚、となります。
血虚により熱が発生した状態を『肝虚熱証』といいます。
体のうるおいが不足し、足裏が煩熱、不眠、イライラ、片頭痛、肩こりなどが起こります。
血虚がさらに進んで陽気がなくなった状態を『肝虚寒証』といいます。
体のうるおいとともに陽気もないので、悪寒、下痢、生理痛、潰瘍性大腸炎やクローン病、動悸、不整脈、冷えのぼせなどの症状がおこります。
肝実証
肝が蔵している血の流れが停滞するので、肝実証=瘀血、となります。
臓が単体で実していることは通常あまり考えられませんので、血の流れを停滞させる原因を作
っている他の臓腑の虚を探します。『脾虚肝実証』か『肺虚肝実証』となります。
肩甲骨周りのコリ、月経不順、婦人科系疾患、アトピー性皮膚炎、痔、鬱などの症状がおこります。
胆は腑ですので、空っぽの状態が正常の状態です。
肝で発生した熱が波及しやすく、口が苦い、吐き気、胆のう炎、胆石、発熱と悪寒を繰り返す往来寒熱などの症状がおこります。
肝とともに冷えてしまったときは、人に会うのを嫌ったり、気持ちがおどおどする、鬱になるなどの症状がおこります。
肝の臓につながっている足の厥陰肝経に病がある病証
頭痛(特に頭頂部)、立ちくらみ、めまい、難聴、腰痛、季肋部の痛み、脇腹の痛み、鼠径部のひきつり感や痛み、膝内側の痛み、足の第1趾のつっぱり感、筋肉痛、麻痺やふるえ、こむらがえり、月経痛、月経不順、婦人科系疾患、足の冷え、シミ。
肝と表裏関係にある胆につながっている足の少陽胆経に病がある病証
頭痛(特に側頭部)、難聴、目尻の痛み、顎の痛み、鎖骨上窩の腫れや痛み、頸部リンパ腺炎、脇の腫れ、脇が痛んで寝返りをうてない、腰痛、股関節痛、膝外側の痛み、足の第四趾が動きにくい、足の麻痺、足の冷え、顔にシミができてツヤがなくなる。
次回は、脾胃の病証についてお話します。
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