寝付きが悪い

今回は「寝付きが悪い」という悩みについて。


人間は寝ている間に体を修復し、作ります。

「寝る子は育つ」というのは、きちんと体の部品を作る時間が確保されているからですね。

人間は、夜行性動物ではありません。日中、体の材料を消化吸収するために、活動しています。

ですが、人間の1日のサイクルは25時間。

1日中日の当たらない部屋の中で、時計を見ずに過ごしていると少しづつ時間がずれていくのです。

そのずれを調節しているのが、朝日です。

1日の生活リズムが整っていない子はまず、朝決まった時間に起こして朝日を浴びさせることから始めましょう。


子どもは夜になると眠くなって勝手に寝てしまう。

と、思っている方も意外と多くいらっしゃいます。

寝る準備を整えて、眠れるように促してあげる必要があります。

小学校入学前の子どもは、20時。

小学生は、21時。

を、大体の目安にしていただいております。

大人でも、体の修復時間のピークは23時~2時。

それまでに体と脳をしっかり休めておく必要があります。

子どもはどんどん体が変化しているときなので、しっかり寝ることによって成長を助けてあげる必要があります。

夜遅くまで起きていては、体は消耗していくだけなので、しっかりした体を作ることはできません。


まずは、それらの基本を押さえてから、寝つきの悪い原因を探していきましょう。


子どもが小さければ小さいほど、「えっ?!こんなことで眠れなくなっちゃうの?」と思うことがあります。

・昼間、怖いことがあった。

・不安感が強い。(子どもだけでなく、お母さんも)

・楽しくてはしゃぎ過ぎた。

・寝る前にテレビやゲーム、スマホを見た。

・一緒に暮らしている家族がいつもと違うリズムで過ごしていて、ソワソワ落ち着かない。

など、強い刺激やストレスはもちろん、いつもの日常と違うことが起こるだけで、赤ちゃんは寝付きが悪くなります。

小さな子どもだけでなく、小中学生や大人でも、寝つきが悪くなることがあります。

夜に向かって人は、気を体の中にしまい込んでいくために、気の巡るような活動を抑えていきます。

ですが、夜なのに頭や心など体の上部で気を使っていると、頭に気が停滞し、熱がこもります。

すると、眠れなくなってしまうのです。

疲れているはずなのに、寝てくれない、という話を聞くこともありますが、これは疲れすぎて上部に昇った気を引き降ろしてきて、体の内側にしまい込むという力が足りなくなったためです。

体は疲れているのに、頭だけが冴えて眠れな~いという状態なので、元気が有り余っているわけではありません。

元気が有り余っている子なら、日中に体を動かした疲れて、夜になるとバタッと寝てしまうのではないでしょうか?


頭全体を触ると、特に後頭部から側頭部にかけて皮ふがつっぱって硬くなったり、熱がこもっているように感じます。

肝虚証と考えて治療します。

頭の皮ふの緊張感をとり、熱を発散させるように皮ふ鍼をしていきます。

足が冷たいと、頭に熱が停滞しやすくなるので、足を温めます。

ふくらはぎに冷えや硬さがある場合は、温めるように皮ふ鍼をします。


家では…

夕方以降は静かに過ごす。

後頭部や側頭部をやさしくポンポンと熱を散らすように歯ブラシで刺激する。

肩や背中を優しくさすってリラッスクさせる。

ふくらはぎや足の裏をドライヤーで温める。

全部やらなくても、気に入ってリラックスできる方法を寝る前の決まり事のようにやってあげると、いつもと違うことがあっても、それをやってもらうと寝る、というリズムが作れるのではないでしょうか。


鼻づまりで苦しい、アトピーで痒くて眠れない、など、原因となる症状がある場合は、まずは症状の改善を優先させましょう。


ママのための東洋医学講座

ちまたにあふれている健康情報に振り回されることなく、家族の健康を守りたい方のために。