病気の原因ー内因(精神的要因)

病気の原因には、持って生まれた体質、気候や環境による影響があることを前回までにお話してきました。

こころと体には密接な関係があり、感情や精神状態も病気の原因になると考えます。

今回は、病気の原因となる精神状態、内因についてお話していきます。


病気の原因となる精神状態=内因。

七情とも言います。喜ぶ、怒る、憂う、思う、悲しむ、恐れる、驚く。  


喜…喜びすぎると心を傷つけます。血脈が弛緩し、心気が緩むと言われています。

イベントで大活躍し、大いに楽しんだ後、燃え尽き症候群になってしまう人っていますよね。

程々に節度をもって楽しめば燃え尽き症候群にならない、もしくはなってもすぐに切り替えられるのですが、度を超えてはしゃぎ過ぎると、後々気が緩んでダラダラしてしまいます。

躁うつ病にまでなると、病気の状態です。

  

怒…怒りすぎると肝を傷つけます。

怒りで血が沸騰して頭に上る、という状態です。

イライラしていると、血圧は上がるし、脳卒中のリスクも高くなります。


悲(憂)…悲しみ憂いすぎると肺を傷つけます。

悲しくなってメソメソ泣いている時、たいてい背中をまるめていますね。

この姿勢は肺気の循環が悪くなります。

悲しい時はやる気も起こりません。体のエネルギーである気が、巡らない状態になってしまうのです。


思…思いすぎると脾を傷つけます。

考え事ばかりしていると食欲がわかない、ということがあります。

物思いにふけって、考え事にエネルギ―を使っていると、消化吸収作業をするエネルギーが不足し、お腹が減らないので食べない。だからますますエネルギー不足になって体がだるい…という状態になります。


恐…恐れすぎると腎を傷つけます。

恐いと外へ向かって行動することができなくなりますね。

気が下って、一歩踏み出す勇気がなくなり、縮こまってしまいます。

学校に行きたがらない、公園などでお友達と遊びたがらない子によく見られます。

恐がりな子をおもしろがって脅していると、お子さんの健やかな成長に影響がでる場合もありますので、ついつい脅かしてしまうお父さんは要注意です。


驚…驚きすぎるとこれも腎を傷つけます。

物事に動じずにどっしりと構えておくことができず、こころがフラフラしてしまうのです。

落ち着きのない多動気味な子によく見られます。

臓腑の不調から、これらの精神状態が起こることがあります。

イライラと起こっている人をみると「あ~、肝血が不足しているんだな」、クヨクヨして愚痴っぽい人がいたら「肺気が足りないのかな?」と思ってあげると、人の性格にいちいち腹を立てることもなくなり、優しく接することができるようになるかもしれません。

「病は気から」とよく言いますが、健康に過ごすためには、こころ穏やかに過ごすことも大切なのです。


次回は、不内外因=生活習慣からくる病気のお話です。

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