症状-腎の病証
前回は肺・大腸の臓腑経絡に気血津液の虚実が起こり、寒熱が発生するとあらわれる症状について書きました。
今回は、腎・膀胱の臓腑、腎の経絡、膀胱の経絡に、何らかの病理が起こると、どのような症状があらわれるかについてお話していきます。
腎虚証
腎には腎陰と腎陽があります。
腎陰の虚、津液不足、となり、乾いて熱が停滞し冷ますことができないために虚熱症状があらわれます。これを『腎虚熱証』といいます。
血中のうるおいが不足すると肝虚熱証と同じ症状、足裏のほてり、上半身の汗、食べても太れない、アキレス腱や踵の痛み、足腰が弱くなる、夜間排尿、臍の下から胸に動悸が突き上げる賁豚気(ほんとんき)病、咳、喘息、高血圧などの症状があらわれます。
腎陽の虚=命門の陽気の不足、となり、体の陽気の大元が少ない状態なので冷え、活動するためのエネルギ―自体も不足します。これを『腎虚寒証』といいます。
下腹部の冷え、胃腸の冷え、元気がなくなる、足腰が弱る、便秘して腰痛になる、食欲がない、唾液が増えるなどの症状があらわれます。
腎実証
腎は津液が多いので熱が停滞して実になることはありません。
熱が多くなると津液が乾くだけなので、それは腎虚熱証となります。脈が硬くなって実のように感じることがありますが、病理は津液の虚なので、実ではありません。
膀胱が熱を受けて実になることはあります。
腎の臓につながっている足の少陰腎経の経絡に病がある病証
顔が黒くくすむ、水太り、足腰が冷えて痛む、足が弱くなる、腰痛、足の裏がほてる、のぼせ、疲れて横になりたがる、根気がなくて疲れやすい、足底がつる、ふくらはぎの内側が痛んだりつる。
腎と表裏関係にある膀胱につながっている足の太陽膀胱経に病がある病証
首から頭に突き上げるような頭痛、目が飛び出るような頭痛、背骨の痛み、腰が折れそうな痛み、股関節が曲げられない、膝裏から下肢にかけて痛む、首から背中・腰・臀部にかけて痛む、足の第五趾が動きにくい、汗が出やすい、悪寒発熱、鼻づまり、鼻血、踵の腫れ、肩が上がらない、脇のつっぱり感。
次回は、心・心包、小腸・三焦の病証についてお話します。
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